では日本に残るのはどういう産業だろうか? これは「アゴラ」でも釣雅雄氏などが論じているが、需要が増えているのは福祉・医療・介護などの低賃金サービスであり、これが日本の実質賃金が低下する原因になっている。こうした部門は直接には国際競争の影響を受けないが、製造業の賃金が低下するとQBハウスのようにサービス業の料金も賃金も低下する。

他方、アップルやグーグルのように付加価値の高いサービス業の賃金は上がる。このような雇用の二極化は世界的に進行しており、日本だけがそれを避けることはできない。問題は高付加価値サービス業が日本に残るのかということだが、率直にいって日本に残るようではだめだというしかない。有望な企業も労働者も、成長するアジアに出て行ったほうがいい。

国内の所得を維持するために必要なのは、エルピーダのような負け組企業を守ることではなく、雇用規制を撤廃して製造業からサービス業への労働移転を進め、労働生産性を高めることだ。ところが民主党政権は逆に、契約社員を5年以内でクビにするよう規制する労働契約法改正案を国会に出そうとしている。絶望的である。

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